金沢のお正月

ここ最近、和菓子屋さんやお土産屋さんで正月用のお菓子を見かけることが多くなりました。

お正月といえば、おせちやお雑煮、ぜんざいあたりが全国共通の食べ物だと思いますが、他にもその地域特有の食べ物もありますよね。私の地元の大阪では前述以外にこれといって特別変わった食べ物があるわけではないんですけどね。

今年に入って頻繁に金沢へ足を運ぶようになり、少しは金沢の文化も理解できてきたように思っていましたが、まだまだ奥が深いなと思ったのが、お正月に食べるお菓子。

仕事帰りに新幹線の乗車まで時間がある時は、駅構内にあるお土産屋さんを見て回ることにしています。お土産を見れば、特産品や文化、その地域の人たちの人格までもが見えてくるように思えて、特に買わなくても楽しいからです。これぞ人文知ですな。

お土産もだいたい見尽くした感がありましたが、お正月用のお菓子が並びだしたのでまたチェックしないと!と思い、各店をうろうろと見て回ります。

どこの和菓子屋さんでも取り扱っていたのが、「福梅」と「辻占」。

地元の知人に聞いたところ、両方とも金沢のお正月には欠かせない伝統的なお菓子だそうです。

福梅(ふくうめ)

「福梅」は石川県・富山県の一部でお正月に食べられている伝統和菓子です。江戸時代後期が始まりとされ、お正月のお祝い菓子や年末にお歳暮として送る文化もあるそうです。

https://cocoiitoco.com/wagashi/fukuume

梅の形をした最中の間には、日持ちをさせるために水飴などを練り込んだ固めの粒餡が挟まれています。最中の表面には雪に見立てた粉砂糖や刷毛で糖蜜が塗られているのも特徴です。また、梅の花の形をしている由来には、主に3つの説があります。

1.加賀藩主前田家の家紋「剣梅鉢(けんうめばち)」を模した説

2.前田家の先祖である菅原道真を祀っている京都 北野天満宮の献茶会で出された「寒紅梅」説

3.兼六園を完成させた加賀藩十代藩主の前田重教時代の新春の茶会献上菓子説

ほんとにあちこちの和菓子屋さんで売られていて、お店によって最中や餡の味・食感も違うみたいです。

今回は、前田藩御用達と言われている『森八』さんと、人気の金沢土産の最中を手掛ける『金沢 うら田』さんの福梅を購入し、食べ比べしてみます。

目次Outline

森八

まずは前田藩御用達の『森八』さんの福梅をいただきます。

せっせと買い集めたお気に入りの九谷焼をここぞとばかりに使います。

雅な雰囲気がお正月感を醸し出していますね。いい感じだわ。

裏面の原材料を見ると、赤と白の違いはどうやら着色料だけみたいですね。

包み紙を外して中身を並べると、梅の花の形をしていて可愛いです。

家紋の剣梅鉢説でも、お茶会の茶菓子説でも、どっちでも正解って気がします。

粉糖のようなものがまぶされていて、雪のようにも見えます。これ、雪国ならではのお菓子で本当に雪をイメージしてたんだとしたら素敵。

断面はこんな感じです。上手いこと半分に割ろうと思ったけど皮が結構分厚くて全然だめだったので、仕方なく包丁で半分に切ってみました。

皮の分厚さもですが、あんこもぎっしり詰まっていて、全体的にずっしりしています。1か月くらい日持ちがしたので、結構水分飛ばしてるんでしょうね。

写真でわかるかわかりませんが、あんこが少し赤みがかっていて、黒糖のような味がします。

直径5センチないくらいの小ぶりなお菓子なのに、食べごたえはしっかりあります。

サファイア

サファイア

お茶とめっちゃ合うわ

うら田

お次は、人気の金沢土産の最中を手掛ける『金沢 うら田』さんの福梅をいただきます。

こちらも包装紙がお上品で素敵。赤と白の違いも、森八さんと同様に色の違いだけでした。

見た目も森八さんとほぼ一緒ですね。花びらの輪郭がこちらの方が少しくっきりしていますかね。

断面はこんな感じです。

皮はこちらの方が少し軽めで、最中に近い感じがします。とはいえ、最中よりはしっかりしていて弾力がある感じがします。

あんこはしっかり水分が飛んでずっしり感があります。こちらは森八さんとは違って黒糖っぽさはなく、上白糖のような癖のない感じです。

サファイア

サファイア

個人的にはうら田さんの方が好みだわ

そういえば母の知人の金沢出身の方は、森八さんのが一番美味しいと言っていました。

やっぱり老舗は強いな。

今回は『森八』さんと『うら田』さんを食べ比べしてみましたが、他にもたくさんのお店で販売されていたので、機会があれば試してみたいです。

辻占(つじうら)

金沢のお正月で欠かせないもので、福梅のほかにもう一つ『辻占』があります。

こちらも小さい最中の皮のようなお菓子ですが、中にはおみくじのような紙が入っていて、いわゆる「フォーチュンクッキー」のような縁起もののお菓子です。

私、ガチャガチャとか何が出てくるかわからないものが結構好きなのよね。

金沢の知人からは、ひとり3つ選んで言葉を紡いで一年を占うとお聞きしたので、さっそくその通りにやってみたいと思います。

金沢のお菓子ってどれもこれもなんでこんなに可愛いんでしょうね。

品もあって本当に素敵。

指でつまめるくらいの大きさなのがいいわ。

パリッと割って中を見ると、ちっちゃい紙が入ってます。

なぜそう思ったのかはわからないのだけれど、紙は折りたたまれているもんだと思ってたから、思ってたよりくちゃくちゃに小っちゃく丸めてあったので、そこにびっくりしました。

よくこんなにも薄い紙を作れたなと思うくらい薄っぺらい紙が、これでもかと小さく丸めてあったので広げるのに苦労しました。

今回引いたのは「失敗は成功のもと」「君子危うきに近よらず」「名を捨てて実を得る」の3つでした。

これ、もしかして3つ引かなくてもいい、一個完結型のやつだったんじゃないかなとも思いますが。これもお店によって違うのかな。

それにしても、どれもなんだかドキッとさせられる言葉ですね。

肝に銘じていきたいと思います。

福梅にしても、辻占にしても、こういう文化って本当に素敵だなと思います。

また来年機会があればやってみたいです。

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ブルーサファイア

ブルーサファイア イラストレーター

あちこちお気に入りのカメラとお写ん歩しながら、美味しい、可愛い、素敵!をモチーフにイラストを描いています。三度の飯より風呂が好き。日本全国温泉巡りをするのが夢です。